齋藤一徳のコーチングヒストリー
コーチングは、「一方向ではなく、双方向でアイディアを出し合い、検討し、それを行動に移すためのアイディアも双方向のコミュニケーションで生み出す」一連のプロセスをさします。
コーチングの目的は、「行動の変容」にあります。人が成長をしたり、高い成果を上げるためには、いつもと同じことを続けるのではなく、「新しい行動」へと踏み出すことが不可欠です。
人は、自分で考え、見つけ出すというプロセスを通して、はじめて自分から行動を起こそうと主体的になることができます。
私のコーチングの歴史の中で多くを占めるはビジネスマンです。
特に管理職の方へのコーチングをしました。
例えば、「コミュニケーションは双方向で行われるものだ」と思っている人は多いですが、実際には上司が部下と話す場合、上司が話して、それを聞いた部下が言われたとおりにやるという、一方通行のコミュニケーションになっていることがよくあります。「私は考える人で、君は実行部隊だ」というように、権威や権限で従わせるやり方がその典型です。
しかし、そうしたやり方だけを用いていると、不測事態対応能力の欠如という問題が起こりかねません。
つまり、すべての事柄について上司にお伺いを立てないと、物事が回らない状況になってしまう恐れが出てくるのです。
起こった出来事に臨機応変に対応できるようにするためには、一方通行の指示を与えるだけではなく、相手にも意見を言わせるインタラクティブなアプローチが不可欠になってきます。
こうしたアプローチは、一見すると時間や手間がかかるように思われるかもしれません。しかし、それによって自律的に行動ができる部下や、新しいアイディアを生み出せる部下を育成できれば、指示を待たなくても動いてくれるので、トータルでは上司の時間の節減にもつながっていきます。
インタラクティブなアプローチは、より長期的な観点に立って部下の育成を促すものだということを教えるのです。